ソノソフト株式会社

最適化はベストなスピードとコストパフォーマンスを生み出します。

いつの間にかIT化が目的になってませんか?

 中小企業庁は「IT化が進まない」と言っています。確かにうちもそうだなぁって思っておられる中小企業の方は少し引いて熟考された方がよいと思います。この言葉だけをとらえるとさもIT化が目的のように思ってしまいます。確かにITを取り入れることでかなり効率があげられることは事実です。しかしそれには手順が必要です。

 ある座談会でIT業者さんが、IT導入の効果やメリットがわからないから活用が進まないのだと思います。弊社の存在意義は、わからないことをわかるにさせてあげることだと思っています。そうした文脈上で、IT活用を必要とする方達が、「何でも相談できる」「わからないをわかるにさせる。」ということがその業者さんの存在意義だと・・・。

 確かにそういうスタンスもあると思います。わかってもらえると話が進みやすい。しかしどこまでわかってもらう必要があるのかということも大事なことだと思います。
 もしITが目的達成のための道具にすぎない。と仮定した場合ITのことをわかる必要があるのだろうか?
 ある場所にとても大きな穴を掘り、そこにプールを作る必要があるとする。それがその企業にとっての目標だとします。では最大の効率でこの目標を達成するにはどんな解決策があるか?
 ショベルカーという重機の存在とその役割を知っていればこれを選択できるのです。ここで問題なのはこの重機のことをどこまで知ればよいかということです。
 プールを作るという課題が見えてて、重機が必要だということが見えればOKだと思うのです。重機の種類や大きさなどは専門家に任せるということでいいのです。
 IT化の問題はITというものが苦手というより、課題を作り、それを効率的に目標達成させる必要がある。その段階でITでやればどう?FAXでやればどう?印刷物でやればどう?でいいのです。
 ITでやれば?重機でやれば?という変換でいいのだと思うのです。
 それ以上の知識は不要。

 またこんな意見もありました。FAXで業務がなりたつならばパソコンはできるだけ使いたくない。と。たしかにこれは本音だと思います。でも残念ながら業務によっては100%成り立たない。
 たとえば受注業務ということをFAXでやるとしたら、その後はどうなるでしょうか?机上でシミュレーションしたら一目瞭然です。やってみましょう。
 受注をFAXで受け取ります。その後は製造や倉庫に回す必要があります。そのために、コピーをします。1部は紛失のために営業担当者が綴じます。一部は倉庫に渡しピッキング作業をします。1部は配送伝票を書くために仕様します。ピッキングが終われば、配送します。
 次は出入帳に記入します。営業担当は納品書を発行します。もちろん手書きです。なぜならFAXだからです。この段階でこのファックスから転記が何回発生したでしょうか?

 多分ご意見を出された方もそんなことは自明だったと思います。恐らく言葉の綾かと。
 ファックスは単なるわかり易いもののたとえなんでしょう。
 裏を返せばわかりにくいものはITということになります。最初の業者さんがおっしゃってたわかってもらえることが存在意義だという答えがこれでしょう。
 
 ITのことがわかっていても、クライアントの業務がわかっていなければ、これもIT化の阻害要因になるのです。ひょっとしたらIT化を推進するのは一番業務をご存知の方かと思います。
 この受注業務なんてITのことを知る必要もないくらい感覚でわかると思います。
 一度ITのことなんかわからずに自分の業務を最高に便利で効率がよくてお客様(企業内であれば自部門の周りの部門)に喜んでもらえる方法をビジョンとして描いてみてはどうでしょう。

 IT化ができるか?ではなく、ITを組み入れたらどうなるか?
 ここでいうITとは基本的にスマホとパソコンということにします。スマホにインターネットとカメラがありパソコンには大容量の記憶装置がある。

 ビジョンはもはや改善ではなく。改革ですね。そう考えると担当者お客様や協力業者さんがあっと驚くような改革ってなに?となります。
 たとえばここで突飛なことを考えるのです。できれば発想が豊かな社長さんがいい。だからここまでやってこれたのでしょう。実はアイデアマンなのです。ある企業の社長さんに呼ばれて「スマホでなんとかしろとかパソコンでできると思う、なんとか考えろ」とか。これはいつも自分の企業の課題がなんであるかを常に考えているからだと思います。ITがわからなくても事業改革はやれる。

 まずは、売上を上げられるような課題(改革)を考えてみましょう。
 たとえばお客様の利便性を究極まで引き上げるにはどんな課題が出せるでしょうか?和菓子のアスクル。クリーニングのアスデキ。スグデキ。スマホで和菓子のパーツを選んでオリジナル和菓子なんていうのは。バースデー和菓子の名前入りオーダーをスマホで・・・とか。

 IT化が進まないではなく、改革する課題がないのか出せない。ということだと思います。もし出せたらその課題解決に向けてしくみづくりをします。そのしくみにITは必須ではありません。ワンオブゼムです。しかし改革の道具としては残念ながらITは一番組み入れるべきツールです。確かに少しでも理解していた方が有利かも。
 企業の目的の大半はモノづくりやサービスです。商品づくりやサービスメニューの充実はマーケティングです。それを支えるのは情報です。その情報を集め、集約し、利用するのはITに他ならないからです。

 以前お世話になった会社の社長さんがいつもおっしゃってた企業の財産とは、人・物・金・情報という4つでした。これはとても重要なことではないでしょうか?
 ではその課題解決にITがあればどんなしくみをつくることができるか?ですが、そんなことは課題発案者が考える必要はありません。「こんなことを考えているがどんな方法があるか?」と若い人に聞くだけです。案がでないときは我々を呼びつけます。

 その際、まちがっても、この課題をIT化したいとは言わない方がいいです。 他に方法があってもでてこないからです。特にIT業者さんからはでてこないのです。なんとかシステムで解決しようとする。儲かるとかではないのです。システム業者さんはそんな欲はあまりないのです。というか少なくとも私にはあまりない。システム会社になにができるのですか?というと大概なんでもできます。と答えると思います。事実です。使い物になるとかならないとかではありません。システム化こそが使命になってしまうからです。
 
 この課題を解決したい。到着まであと1日短縮したい。ミスなく発送したい。お客様にオリジナルなものを作ってあげたい。などです。
 本当は、IT化しないでも、システムを作らなくても、解決できる課題であるなら無理に作らない。私達はそういうスタンスです。

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